2024年6月7日にクミアイ化学工業から第2四半期の決算がありました。この内容について考察してみましょう。
クミアイ化学工業 2024年10月期 第2四半期 「決算短信」
クミアイ化学工業 2024年10月期 第2四半期 「決算補足説明資料」
昨年度との「実績」を比較
まずは、「売上高」や「利益」について昨年度の同じ時期と比較してみましょう。
ここから「農薬及び農業関連」において、業績が落ち込んでしまっていることがわかります。しかし、前回の決算にて業績は悪化する見込みが発表されています。
この業績の悪化が「想定内」なのか「想定外」なのか考察していきます。
通期業績予想の比較
ここでは、クミアイ化学が過去に予想した1年を通した業績と、今期のここまでの状況を鑑みて新たに予想した1年を通した業績を比較しています。
2023年12月14日に公表した業績予想に比べて「弱気」になったことがわかります。つまり、思っていたほど「農薬」の「在庫調製」が回復していないということでしょう。
ちなみに投資家の多くが見ている「会社四季報の業績予想」もこれを受けて下方修正しています。そのため、株価にも影響しそうですね。
配当予想は増配
今期の期末配当金が2円増配
と予想されています。しかし「利益」は前回予想から下方修正しています。どこからこれを補填するのか?当期純利益の予想だけ増加予想しているのはなぜなのか?
- どこから配当の財源を補填するのか?
- 当期純利益が上方修正されているのはなぜか?
- 資産の売却益で当期純利益を上げているのではないか?
といったところが気になります。今後の報告を注意深く見ていきましょう。
考察
- 業績予想の下方修正は想定内
- 増配の理由は要チェック
業績予想の下方修正は「農薬関連」の「在庫調整」が原因であり、これは「製品」にはサイクルがあることから長期的には回復するだろうと予想していますので、個人的には想定内です。
問題なのは増配の理由です。現在のところ、なぜ当期純利益が増額し、それが増配に繋がるのかがはっきりとわかりません。増配自体は嬉しいものですが、それは本業の利益からであってほしいものです。
資産の切り売りのようなことをしている場合は、「売却」を考えた方が良いかもしれませんね。
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